法務省ウェブサイトにおいて公表されました。
- 第二次試験の結果
http://www.moj.go.jp/PRESS/061109-1/18soku.html
- 第二次試験論文式試験問題と出題趣旨
http://www.moj.go.jp/SHIKEN/18syushi-kohyo.html
【憲 法】
第 1 問
国会は,主に午後6時から同11時までの時間帯における広告放送時間の拡大が,多様で質の高い放送番組への視聴者のアクセスを阻害する効果を及ぼしているとの理由から,この時間帯における広告放送を1時間ごとに5分以内に制限するとともに,この制限に違反して広告放送を行った場合には当該放送事業者の放送免許を取り消す旨の法律を制定した。この結果,放送事業者としては,東京キー局の場合,1社平均で数十億円の減収が見込まれている。この法律に含まれる憲法上の問題点について論ぜよ。
(出題趣旨)
本問は,放送事業者の広告放送の自由を制約する法律が制定されたという仮定の事案について,営利的表現の自由の保障根拠や放送という媒体の特性を踏まえて,その合憲性審査基準を検討し,当該事案に適用するとともに,放送事業者に生じうる損害に対する賠償ないし補償の可能性をも検討し,これらを論理的に記述できるかどうかを問うものである。
第 2 問
A市において,「市長は,住民全体の利害に重大な影響を及ぼす事項について,住民投票を実施することができる。この場合,市長及び議会は,住民投票の結果に従わなければならない。」という趣旨の条例が制定されたと仮定する。
この条例に含まれる憲法上の問題点について,「内閣総理大臣は,国民全体の利害に重大な影響を及ぼす事項について,国民投票を実施することができる。この場合,内閣及び国会は,国民投票の結果に従わなければならない。」という趣旨の法律が制定された場合と比較しつつ,論ぜよ。
(出題趣旨)
本問は,条例により投票結果に法的拘束力を与える住民投票制度を導入することが憲法上許されるかという点について,日本国憲法における代表民主制と直接民主制の位置づけや関連規定の趣旨,地方自治の本旨等に関する基本的理解を踏まえながら,国民投票の場合と対比しつつ,論理的記述ができるかどうかを問うものである。
- 第二次試験口述試験における問題のテーマ