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平成21年度旧司法試験第二次試験論文式試験問題

http://www.moj.go.jp/SHIKEN/h21ronbun.pdf

【憲 法】
第 1 問
 自動車の多重衝突により多数の死傷者が出た交通事故の発生前後の状況を,たまたまその付近でドラマを収録していたテレビ局のカメラマンがデジタルビデオカメラで撮影しており,テレビ局がこれを編集の上ニュース番組で放映した後,撮影時の生データが記録されたディスクを保管していたところ,同事故を自動車運転過失致死傷事件として捜査中の司法警察員が,令状に基づき同ディスクを差し押さえた。
 この事例に含まれる憲法上の問題点について,その交通事故を取材していたテレビ局が,一般人が撮影したデジタルデータの記録されたディスクを入手し,それを編集の上ニュース番組で放映したところ,同事故に関する自動車運転過失致死傷被告事件の係属する裁判所が,テレビ局に対し,同ディスクの提出命令を発した場合と比較しつつ,論ぜよ。


第 2 問
 国会議員であるとともに弁護士でもあるAは,派遣労働者の権利利益を拡充する内容の法律案に関して開催された地方公聴会において,この法律案の必要性を訴える中で,「この法律案に反対している経営者団体の幹部Bは,労働者を搾取することしか考えておらず,自分が担当している訴訟においてもBが違法に労働者を働かせていることを立証済みである。」旨の発言をしたほか,この発言を自己が開設したホームページに掲載した。Bは,Aの発言やホームページへの掲載により名誉を毀損
されたとして,国とAを相手取り損害賠償を求めて提訴するとともに,Aが所属する弁護士会に対してその懲戒の請求をした。
 この事例に含まれる憲法上の問題点について論ぜよ。