平成18年(許)第47号 市町村長の処分に対する不服申立て却下審判に対する抗告審の変更決定に対する許可抗告事件
要旨
1 民法が実親子関係を認めていない者の間にその成立を認める内容の外国裁判所の裁判は、民訴法118条3号にいう公の秩序に反するものとして、我が国において効力を有しない。
2 女性が自己以外の女性の卵子を用いた生殖補助医療により子を懐胎し出産した場合における出生した子の母は、現行民法の解釈としては、その子を懐胎し出産した女性と解さざるを得ず、卵子を提供した女性との間で母子関係の成立を認めることはできない 。
3 代理出産という民法の想定していない事態が現実に生じている以上、代理出産について法制度としてどう取り扱うかに関しては、医学的な観点からの問題、関係者間に生ずることが予想される問題、生まれてくる子の福祉などの諸問題につき、医療法制、親子法制の両面にわたる検討が必要であり、立法による速やかな対応が強く望まれる。
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=34390&hanreiKbn=01
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20070323165157.pdf
asahi.com「代理出産、親子関係認めず 最高裁、向井亜紀さん問題で」(2007年3月23日)
http://www.asahi.com/national/update/0323/TKY200703230261.html